2021年 2月 28日 四旬節第2主日/3・1節記念主日 鄭然元牧師

大阪教会 主日礼拝 < 2021 2 28四旬節第2主日/31節記念主日

                  說敎 鄭然元牧師/通訳 金光成長老

* 題目 : 四旬節の霊性と3・1節精神

* 聖書 : マタイによる福音書25章31節-34節

</新共同>

31.「人の子は、光に輝いて天使たちを皆えてるとき、その光の座に着く。32. そして、すべてのの民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、33. 羊を右に、山羊を左に置く。34. そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されているを受けぎなさい。

<説教>

愛する信徒の皆様1週間健康に主の恵みの中で良くお過ごしでしたか。

コロナウィルスのワクチン注射が開始された日本と韓国が、計画的に実施され一日も早く終息されることを

願います。日本政府は関西地域の3府県に緊急事態宣言を解除すると発表されました。来週からは礼拝も変わると思われます。今日は礼拝後にある集まりのために信徒が礼拝堂に来られてともに礼拝を捧げています。

コロナ感染事態の中で迎える四旬節は、世の罪を十字架に背負いコルゴダ丘に向かっていかれるイエス様を黙想しています。苦しみの中の人々を慰めてくださる主を待ちながら、1週間、1週間、過ごしています。特に今日は3・1独立運動102周年の記念主日でもあります。

さる21日、日本言論報道によれば、バイデンアメリカ大統領が太平洋戦争当時、米国が日系住民を強制収容した根拠になっている大統領令署名79周年を迎えて、声明を発表しました。バイデン大統領は、この声明で米国の歴史の中で最も恥ずかしく思われる一時代に、祖先が日本人という理由だけで非人道的な収容所に監禁した。そして、これは根深い人種差別、外国人嫌悪、移民排斥に繋がったと指摘したとの内容でした。

米国大統領が、米国と日本が戦った太平洋戦争の中、日系米国人を強制収容した内容について言及したのです。そしてこのような政策によって苦しみを受けられた方に、連邦政府は公式謝罪を再確認したと正式に重ねて謝罪を行ったのです。

 

そして、もう一つは「ベンヤミン・ネタニヤフ」イスラエル総理がツイッターに載せた内容がニュースに出ました。

ホロコーストの生存者数千名に、ドイツ政府が毎月数百ユーロを提供するようになったと伝えました。

イスラエル総理は「これは非常に大事なことです。生存者は支援を受ける資格があり、ドイツ政府に感謝する。」という内容を上げました。現在、イスラエルには、ナチスドイツによって無差別虐殺を受けたホロコースト生存者が、21万人おられるとのことです。ドイツ政府は、1952年以降ホロコースト被害者に年金または社会福祉費など、約93兆円を支援しました。ドイツ指導者たちは過去の歴史に対する謝罪を続けております。1970年ビリ・ブラント 西ドイツ総理は、ポーランドにいるイスラエル慰霊碑前にひざまずきました。現職総理のアンゲラ・メルケルは、明日3月1日ポーランド・バルシャバで開かれた第2次世界大戦始まって80周年の記念式典に参加すると伝えています。メルケルは犠牲者と私たち自身と未来世代のために過去を覚えていくと話してきました。

2021年韓国と日本、2か国は巨大な障壁の前に立っているようです。このような中、ハーバード大学レムジオ教授の論文が、問題になり米国国務省が歴史歪曲をしてはいけないとの立場がでてくるほど深刻になっております。この時点で私たちが迎える四旬節と3・1節に何を考えなければいけないでしょうか?ある方は、もうこの話題はやめましょうと言う方もおられます。無条件的に許せばすべて解決されるのに、いまだにこのような話をしていると考える方もおられます。しかし、過ぎさった歴史の歪曲または清算は、私たちが考えているより遥かに難しい課題のようであります。

四旬節の霊性は徹底的な悔い改めを通して,許しと限りない救いの恵みであります。

事実3・1独立運動の内容をよく調べれば、四旬節の霊性が溢れる事がわかります。

朝鮮が日本に国を奪われて民族の独立のために、その先頭に立ったのは、まさしく教会でありクリスチャンたちが中心に立ちました。この韓国教会と民族主義は、離れられない緊密な関係を持ちました。1919年3月1日独立万歳運動直後、日本警察に逮捕された人の数を見れば、クリスチャンがどれほど中心的な役割をしたかを知ることができます。総逮捕者19523名の中で、3500人がクリスチャンでした。約18%に達していました。牧師と伝道師、長老、教会の中心的な役割を担っていた人は244名もいたことは、当時基督教が民族の独立のためにどれほど努力したかを知ることができます。

3・1節の中心的な内容をもう一度考えてみると、当時民族の指導者達と基督教指導者たちが

どのような考えを持っていたかを知ることができます。歴史を研究する学者によれば、ほかの宣言文にくらべて3・1独立宣言書は相当穏健であると言います。3・1独立宣言文は、武力を利用して闘争しようとの内容は目を皿にしても探すことはできません。唯一正義という名前の軍隊と人道主義という名前の武器に力を借り独立を主張するのみである、私たちは日本の行為を断罪したり義の少なさを責めようとしているのではない、過ぎた過ちを叱る暇はないと話されました。日本帝国統治により苦しみを訴える部分も日本帝国に併合され世界文化に貢献する機会を失ったと強くない文章になっております。

3・1独立宣言書に表れている精神は、基督教精神を代弁している内容もあり非キリスト教的な要素もあります。3・1独立宣言文に示されている3・1精神は、自主独立,正義,人道,生存,平等,平和であります。このような思想はキリスト教精神と近代西欧思想を反映しているのです。その根本的精神は自主独立であります。韓民族の基本権の回復の叫びでありました。日本の憲兵警察政治、軍国主義による弾圧と強圧政治に基本権までも完全に奪われてしまいました。民族が抹殺されるような状況で正義と人道主義,生存と繁栄を探す民族の要求をしたのです。

人類を愛する精神と平和精神は神様が望んでおられる世界を宣布することであります。日本と韓国の間に起こっている最近の出来事を見れば胸がつまる思いであります。韓日歴史と在日同胞に大きな力をくれた‘和田春樹’ 東京大学名誉教授が2年前の2019年3・1節を迎えて日本人の知識人226名が国会で声明書を発表しました。和田教授は3・1独立運動100周年を迎える記念碑的な年に歴史を振り返ってみます。韓国の方は日本に併合され10年の間、苦しみの中で過ごされ朝鮮が独立しなければと国民と全世界の人たちを説得したのですと話をされました。

そして「(今は)朝鮮民族の偉大な説得の声に耳を傾け、北東アジアの平和のため、植民地支配に対する反省と謝罪をもとに日韓、日朝間の相互理解と協力の道を進むべきだ」との見解を明らかにした。

四旬節の精神と四旬節の霊性は他人を責めるのではありません。イエス様の十字架の精神に従って生きていくとの信仰を抱く人が持つべきことは従順だとお話ししました。徹底的に自分を省みる事をはじめるのが四旬節の精神であります。私たちは他人の過ちを叱る暇がないとした3・1独立宣言文の内容と同一なのであります。

100年が過ぎた今、私たちがしなければいけない事は、この歴史の痕跡の中で過去の過ちの是非を仕分けたり、批判だけ並べてはいけません。同時に間違いについて、自らの反省と新しい時代に向かって進んでいく勇気が必要なのです。イエス様が神様のみ旨によりこの世に来られ、なされる仕事は御父の意志に従順することだとお伝えしました。そして、今は十字架を前にして弟子たちにこの世で成就される国を説明しておられます。

今日の本文31節「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。」というみ言葉です。この話は世間的な表現で王座に座られる人の子、すなわち神の御子をあらわします。すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分けると言われました。羊と山羊の区別は種類を見ても明らかに違う動物です。野原でともに寄り添って生きています。羊飼いは、小屋に入れるときは羊と山羊を分けて入れるでしょう。王は右側にいる人たちに言う。「さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。」と話をされました。

これはどのような意味を持っているみ言葉でしょうか?左側は不足しており、右側は充分だと言っているのではありません。どのような人が神様から祝福を受ける人なのかが重要です。どのような人が天地創造の時から用意されている国を受け継ぎなさいと言われているのでしょうか。私たちは四旬節を過ごしながら、十字架を背負うことを目標にされていたイエス様を崇めています。今日を生きる私たちが十字架の霊性を目標にして生きているのです。そしてその国はどのような国でしょうか。主のみ旨が実現されている神様の国(バシレイア)です。

もう一度私たちの生活の現場に帰って考えてみましょう。

私たちは日本で住んでいる人達です。過ぎ去った歴史の産物として私たちがこの地で住んでいる人になりました。韓日両国の問題が起こるたびに私たちは難しい立場に立たされます。韓日両国の狭間に生きている私たち在日同胞信徒と日本人の信徒は、神様の国を相続された信仰の人たちです。神様のみ旨を

成就させる信仰の人々ではありませんか。私たちが真心で互いを愛して許して主の意志を成すためにすすんでいく使命があります。これを再度確認することが3・1節の記念礼拝を捧げる目的であります。

イエス様は平和を愛しておられます。閉ざされた垣根を払いのけられ、仇をひとつにされます。互いに愛し合いながら生きることを期待しておられます。このことを実現して行動する私たちすべてになりましょう。

<祈祷>

愛の主よ、四旬節を過ごし、イエス様の条件のない愛に感謝し、1週間を生きてきました。

今日も主の前に来て私たち民族の歴史の中にあった3・1独立運動を顧みました。祖先たちの平和の国をのぞきました。銃刀をもって武力で成し遂げようとされませんでした。戦争を抑制して平和の方法で自身の立場を表し、万歳を叫ばれた人々を思い起こします。主よ、この世に誠なる平和をお与えください。互いに憎しみを後ろにして、徹底的に反省と許しで一つにならせてください。新しい世界に向かって進んでいく信仰と希望をお与えください。韓日両国民が互いに愛する民族にならせてください。

主イエス・キリストのみ名でお祈り捧げます。 アーメン