2020/5/31聖霊降臨節<約束された聖霊が降り>鄭然元牧師

大阪教会 主日礼拝 <2020531/降臨>

説教 : 鄭然元牧師 * : 金光成長老

 

* 題目 : 約束された聖霊が降り

* 聖經 : 使徒言語録21-4

 

<(日)新共同訳>

1. 五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、2. 突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。3. そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。4. すると、一同は聖霊に満たされ、霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。

 

<説教>

今日は2020年聖霊降臨節です。イエス様が復活をされ、40日目に昇天しました。昇天の日から10日後、イースターから50日になる日、聖霊が降臨されたのです。イエス様が弟子たちに命じたことは、「エルサレムを離れるな」というお願いでした。そして弟子たちは、天に上げられるイエス様を見ました。イエス様が天に上げられる直前に、弟子たちに話されたのも、「エルサレムを離れず、待ちなさい」でした。天に上げられるイエス様の姿を見た弟子たちは、安息日にも歩くことが許される距離にある「オリーブ山」と呼ばれる山から戻り、安息日を守るため聖徒の家に集まりました。復活されたイエス様と一緒にいた時間を考えると、とても短い時間でした。しかし、彼らにとって、イエス様のよみがえりはあまりにも感動的でした。

 

天に上げられる時に話された言葉を弟子たちは覚えていました。「弁護者」聖霊が降るのだからエルサレムを離れずに待ちなさいとのことを、今回はきちんと守るため、マルコの家の屋上の間に集まりました。まず、彼らは祈り始めました。イエス様がおられない状況で、自分たちの共同体を再構築します。イエス様を「銀貨三十」で売った自責感により、自殺し、自分の行くべきところに行くため離れたイスカリオテのユダの代わりをする弟子を選びました。くじを引いて選ばれた人は「マティア」でした。そして、彼らが経験したのは、「聖霊の降臨・ペンテコステ」でした。この日が五旬祭だったので、私たちは「五旬祭聖霊降臨」という言葉とも表現します。聖霊の降臨は「聖霊の時代」を知らせる始まりでした。

 

旧約聖書で「聖霊」(聖神:Holy Spirit)という単語は、「神の霊」という表現で出てきます。

それを表現するとき「強い風」の形で顕われます。ヘブライ語で「霊」は「ルーアハ」(ruach)で「風」、「息、呼吸」の意味だからです。新約聖書には、「プネウマ」という単語で、「神の霊」、即ち「聖霊」の意味で使われています。イエス様の活動を見ても「聖霊」、「神の霊」と共におられたことが確認できます。イエス様はヨルダン川で洗礼を授け、荒野でサタンの誘惑を受け、退けました。(ルカ4:1)

  1. さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を“霊”によって引き回され、

聖霊の力に満ち、イエス様はガリラヤに帰られました。(ルカ4:14)

ご自分がお育ちになった故郷、ナザレの会堂でみことばを宣布されました。聖霊がイエス様の上におられる目的がはっきりと言及されています。(ルカ4:18-19)18節、「主の霊がわたしの上におられる。貧しい人に福音を告げ知らせるために、/主がわたしに油を注がれたからである。主がわたしを遣わされたのは、/捕らわれている人に解放を、/目の見えない人に視力の回を告げ、/圧迫されている人を自由にし、19. 主の恵みの年を告げるためである。」

イエス様は「主の霊が私の上におられる」と先に、話されています。

 

イエス様は聖霊に満たされ、公生涯の活動の中で、サタンを縛りあげ(マルコ3:27)、

サタンの権威に打ち勝ちました。(ルカ10:18)病人を癒し(マタイ11:4-5)、悪霊を追い出すときも聖霊の力が共にありました。イエス様は、聖霊の働きが終末論的な主の救いの働きであると、人に知らせてくださいました。聖霊の救いの働きを認めず、聖霊を冒瀆する罪は永遠に赦されないと警告までしたのです。(マルコ3:29)イエス様は、天の父は求める者に聖霊を与えてくださる方なので、求めなさいと 教えました。(ルカ11:13)聖霊によって喜びあふれて、天の父に感謝の祈りを献げました。(ルカ10:21)イエス様の公生涯を主管した聖なる霊は、十字架で死なれ、墓に葬られたイエスをよみがえらせて、イエス様の公生涯を完成させました。(ロマ1:4)

受肉して、この地に来られて働きをされたイエス様。続いて、今では神の霊がこの世で働き始めます。イエス様は私が行けば「弁護者」「あなたたちを助ける方が来る」と話されました。マルコの家の屋上の間で祈りをしていた弟子たちと120人の聖徒たちに「聖霊が降った」のです。呼吸のような神の霊、イエス様の上におられた「聖霊」が降りました。今日のみことばには、激しい風が吹いて来るような音が響き、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人のお上にとどまったとしています。聖霊を様々な形で表現しています。重要なのは、イエス様の約束が成し遂げられたことです。エルサレムを離れないように、聖霊が降ると話されたことが成就しました。

 

聖霊の降臨は「教会時代の始まり」を知らせる信号でありました。私はさきほど、聖霊の降臨が起きる前に弟子たちがしたことを紹介しました。組織の再構築、弟子を選び、リーダーを定めることをしたと申しました。なぜ、このような組織の再構築が必要だったでしょうか?それはすぐに、今後の展開される主の働き、主の仕事をするための準備をしたのです。今年初めに、我々大阪敎会は公同議会で、教会のリーダーを選出しました。これは主の体である、大阪敎会の治理と奉仕と仕えのためでした。弟子たちもイエス様のみことばに従い、エルサレムを離れずに、イエス様と一緒にいました。エルサレムを離れることなく、祈っているときに、神の霊である「聖霊」が降ったのです。

 

聖霊の降臨によって、イエス様のみことばが実現できるのです。先週の主日分かち合った使徒1章8節のみことばをよく知っておられるでしょう。8「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」、「聖霊が降ると、あなた方は力を受ける」とのみことばは、弟子たちに何をすべきかを悟らせました。こうして始まった初代教会は「聖霊が降ることから始まる」と言うことなのです。

 

イエス様の公生涯が聖霊に満たされてから始まり、聖霊と力と能力の中で行われました。同じく、初代教会の歴史も聖霊の強い力と権威の基で展開されて行きます。(使徒2:4;4:31)使徒言行録の歴史は、聖霊がどのように働いたのかを知らせる歴史であり、その歴史を記録した本です。イエス様の弟子たちが聖霊の力を受け、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、イエス様の証人になった歴史であります。(使徒1:8)

 

聖霊降臨はユダヤ教から世界のキリスト教として始まる出発点でした。アブラハムから始まったイスラエルの歴史は、神の摂理で選択された人々や民族を通して神の働きをさせました。イエス様がこの地に来られ、十字架の死により、救いの働きを完成させました。イエス・キリストの福音を地の果てまで伝えるために、聖霊が来られ、教会を立てました。この教会は、福音を伝えるために、エルサレムで始まったのです。聖霊が降り、教会が立てられ、弟子たちに教会を託し、任せたのです。

 

イエス様がガリラヤの湖畔でペテロに「わたしを愛しているか?」と質問されたことを、私たちは覚えています。イエス様がペテロに与えられた言葉、「わたしの羊を買いなさい、私の羊を世話しなさい」と言った牧会が、今、教会を通して実現されるのです。これまでユダヤ教を通して見せた「主(ヤハウェ)、神」を全世界に伝えるために、ユダヤ教を越え、イエス・キリストの教会が必要だったのです。イスラエル民族を越え、イエス・キリストを活発に伝えるためには、聖霊の力がさらに必要だったのです。弟子たちは、単に聖霊の臨在を経験しただけではありませんでした。イエス様が命じられたとおり「聖霊の満たし」になる必要がありました。  弟子たちは聖霊の満たしにより、まず、福音を伝えるための「国々の言葉」が与えられたと記録されています。今、弟子たちには「国々の言葉」という聖霊の賜物が必要でした。各地方から来た人に、その人がわかる彼らの言語を使用するのは、イエス・キリストの福音を伝えるために一番必要な手段だったからです。

愛する信徒の皆さん、今では、主が聖霊を私たちに送って下さいました。

主の働きを一人一人に任せておられます。私達に使命を与え、それを良く担うことを期待しておられます。今日、2020年聖霊降臨節は、本当に多くのことを考えさせられる主日であります。コロナウイルスにより、全世界に600万人の患者と37万人の死者が発生しました。不安と恐怖に覆われている世界の人々、その中で一体私はどんな存在で生きていますか。以降、私はどんなことができるかを考えてみましたか?主がこのようなの世の中で、私たちに期待しておられることは何でしょうか?

 

「コロナ時代、その後を私たちは考えなければいけません」

聖霊の臨在と満たしにより、さらに謙虚な姿勢と慈しみの心が必要です。哀れなことを慈しみ、愛する心で隣人と周辺社会と向き合わなければならないと思います。今日も私たちは、主に感謝の礼拝を献げています。愛する信徒の皆さん、やっと来週は教会で一緒に礼拝を献げることができ、感謝します。聖霊の導きに、もっと感謝するわたしたちになりますよう、主のみ名によって祈願いたします。

 

<祈り>

今日は、2020年聖霊降臨節です。主に感謝を捧げます!

死ぬしかなかった我々に、イエス・キリストの福音を分からせる聖霊を送ってくださったことに感謝します。

聖霊がすべてのことをわからせ、イエス・キリストを信じる信仰を与えて下さり、感謝します。

今日この時間、私たちに、聖霊の満たしにより、与えられた使命をよく担える強い信仰と勇気をさらに与えてください。この時間も、私たちと共におられる主イエス・キリストのみ名によってお祈りいたします。アーメン