2021年 1月10日新年初主日礼拝<回復へ向かう第一歩>鄭然元牧師

大阪教会  <2021年 1月10日> 新年初主日礼拝

 説教 鄭然元牧師 / 通訳金光成長老

* 제목題目 : 회복을 향한 첫걸음 回復へ向かう第一歩

* 성경聖書 : 이사야 61장4절-7절 イザヤ書61章4節-7節

 

[()新共同]

1.主はわたしに油を注ぎ/主なる神の霊がわたしをとらえた。わたしを遣わして/貧しい人に良い知らせを伝えさせるために。打ち砕かれた心を包み/捕らわれ人には自由を/つながれている人には解放を告知させるために。2.主が恵みをお与えになる年/わたしたちの神が報される日を告知して/嘆いている人々を慰め 3.シオンのゆえに嘆いている人々に/灰に代えて冠をかぶらせ/嘆きに代えて喜びの香油を/暗い心に代えて賛美の衣をまとわせるために。彼らは主が輝きを現すために植えられた/正義の樫の木と呼ばれる。

4.彼らはとこしえの廃虚を建て直し/古い荒廃の跡を興す。廃虚の町々、代々の荒廃の跡を新しくする。5.他国の人々が立ってあなたたちのために羊を飼い/異邦の人々があなたたちの畑を耕し/ぶどう畑の手入れをする。6.あなたたちは主の祭司と呼ばれ/わたしたちの神に仕える者とされ/国々の富を享受し/彼らの栄光を自分のものとする。7.あなたたちは二倍の恥を受け/嘲りが彼らの分だと言われたから/その地で二倍のものを継ぎ/永遠の喜びを受ける。

 

<説教>

2021年の第二主日です。

新年を迎え、私たちの希望は、新型コロナウイルス禍が落ち着くことを期待していました。しかし、全世界は死亡者数が以前を上回った速さで増加し、新しい患者が驚くほど多くなりました。日本政府は、1月8日を皮切りに東京都と周辺3県に「緊急事態宣言」を再発令しました。国民の生活に多くの困難を与えるでしょう。伝染されて命を失ってしまった家族は大きな悲しみに陥っています。経済的、精神的に苦しくなる人々がより多くなるでしょう。大阪府も患者が多く出るようになり、周辺の京都、兵庫県と共に緊急事態宣言を政府に要請したというニュースを皆さんもご覧になったと思います。

予防薬や治療薬がない状況で、私たちの個人と地域が力を合わせて防疫に励む以外の方法がないことを知っています。説教のはじめにこの話をする理由は、私たちの命は神から与えられたものであり、天下とも替えられない貴重なものであること知っているからです。このような時、私たち大阪敎会は創立100周年を迎えました。社会的な雰囲気が非常に慌ただしく不安に満ちた艱難の時期です。主の教会が進むべき道を、私たちは整え、この意味を明確に知っておくべきだと思います。

 

我々はヨベルの喜びを共有したいため、教会の標語とみことばを定め、先週の説教で一緒に分かち合いました。バビロンとの戦争で悽惨(せいさん)に負けたユダは、王と民が捕虜として連れていかれ奴隷生活をしていました。このような状況の中で、神は解放を宣布してくださり、ユダとエルサレムに戻ると話されました。どれほど彼らは嬉しくて幸せだったでしょうか。言葉を探せないほど嬉しかったはずです。それで、この解放の喜びをヨベルの年と表現されたのです。

民族的な解放は捕らえられたことからの自由です。人間は束縛を受け、抑圧されると、人間としての生活の価値を失うようになります。これらの民に聞かせてくれた喜びのニュースは、自分たちの祖国ユダの地に戻れるということでした。エルサレムの神殿で神に礼拝をささげるという大きな期待を抱きました。そして、エルサレムに残っていたユダの民に与えられたみことばが、昨年、私たち大阪敎会の標語だった「主の道を整えよう」というみことばでした。エルサレムに戻ってくる同胞を迎えるために、道を整え、円滑に戻れるように準備させました。今日のみことばからユダヤの地に住む人々に、特にエルサレムに住んでいた人々に与えられた内容をよく調べる必要があります。4.彼らはとこしえの廃虚を建て直し/古い荒廃の跡を興す。廃虚町々、代々荒廃しくする

エルサレムに残った人々は祖国と故郷に戻ってくる人のために道を整えようと、イザヤは預言しました。さらに、神に礼拝をささげる神殿とエルサレム城を立て直すように、すなわち戦争により荒廃されたエルサレムを新しくするようにと言われました。バビロンは侵攻したときに城壁を越えるため攻撃用の壁を築きました。そして戦争で勝利した後、この城壁を破壊しました。その城壁を建て直し、軍隊を集め、戦争勃発を未然に防ぐようにしなさいとのことでした。

神に祭事をささげた神殿は破壊され、神殿にあった物はネブカデネザル王と彼の臣下たちが全部持っていきました。彼らは自分たちの神々のために、エルサレムの神殿にあった宝物と聖物を自分の国に持って行ったのです。そして、戦利品としてそれらを展示しました。戦争で敗れた国と国民の姿を想像してみると、今と変わらないでしょう。何もなく消えてしまった城の周りの神殿を誰が新しくすることができますか。歳月が流れ、神がイスラエルの民、残ったユダヤ人をエルサレムに戻らせるという預言は大きな喜びでした。そして、彼らの中で、その仕事をする人がいることを教えて下さいました。

旧約聖書のみことばから、歴史的に、この事件全体を俯瞰(ふかん)してみる必要があります。まず南ユダがバビロンに滅びるという預言がイザヤだけでなく、預言者エレミヤにまで続きました。例えば、社会の指導者が自分の国と共同体に関して、よい話や希望を言わないのであれば、国民はどのように考えるでしょうか。まず、このような人を嫌うと思います。「なぜ!悪いことだけ言って、絶望的なことだけ言うのか!」と。

 

シロの祭司エリの家の子孫のうち、アビアタルという人がいました。ダビデ王が息子ソロモンを王に立てた時、エルサレムでの大祭司がアビアタルでした。ソロモンが王になることに対する反乱が起きました。王子の一人アドニヤが、自分が王になろうとする事件が起きたのです。この陰謀に連座した大祭司アビアタルは、エルサレムから追い出され、自分の出身地アナトトに行き、生活をするようになりました。

 

参考列王記上26. 王はまた祭司アビアタルにこう言った。「アナトトの自分の耕地に帰るがよい。お前は死に値する者だが、今日、わたしはお前に手を下すのを控える。お前はわたしの父ダビデの前で主なる神の箱を担いだこともあり、いつも父と辛苦を共にしてくれたからだ。」27. ソロモンはアビアタルが主の祭司であることをやめさせた。こうして主がシロでエリの家についてお告げになったことが実現した。>

エレミヤは、レビ支族に属する祭司アビアタルの子孫でした。追い出された祭司の末裔だったエレミヤは、祭司としてエルサレムに近くの村に住んでいました。しかし、その身分により、彼はエルサレムの祭司たちと良好な関係を結びにくかったと察します。むしろ、彼らからいじめと蔑視を受けていたでしょう。このようなエレミヤに神のみことばが下りました。預言の内容は、「ユダが滅びるだろう」ということです。当時の政治や宗教の指導者たちと民の犯罪で、神の審判が下るという預言でした。このような預言を聞いた当時の指導者たちは、エレミヤを牢に閉じ込め、民族を裏切った人と罵りました。

まもなくエレミヤの預言どおり、バビロンがエルサレムを攻撃して、ユダは戦争で負けてしまいました。そのとき、エレミヤは捕虜として捕らわれませんでした。バビロンの王が立てた総督による保護を受け、下層階級の人々と一緒にエルサレムに住んでいました。しかし、再びエルサレムで反乱が起きると、バビロンはエレミヤも捕らえました。バビロンに来たエレミヤは、最初は、王の保護の下で生活をしました。そのような中、神の預言が下りましたが、今度は「バビロンが滅びる」という預言でした。エレミヤは、神のみことばを受け、そのまま預言しました。すると今度は、バビロンの王がエレミヤを牢に閉じ込め、最終的に、エレミヤは苦しんだ末、バビロンで死を迎えました。

エレミヤが死にながらも、最後まで伝えたのはイスラエルの回復、ユダが再びエルサレムに戻るとのことでした。そしてエレミヤの預言どおり、ユダの人々は「ゼルバベル」を指導者とし、自分たちの祖国イスラエル、彼らの故郷エルサレムに戻ります。彼らが最初に行ったのは、預言者イザヤの言葉通り、城壁を立て直し、神に礼拝をささげる神殿を再び建築することでした。廃墟となったエルサレム城と神殿を再建することは簡単ではありませんでした。しかし、彼らは、祖国に戻ってきた喜びでこの仕事を進んでするようになります。

創立100周年を迎える大阪敎会の当面の問題は、信仰継承という大きな課題と共に、指導者を立てることです。そして、もう一つは、私の祖母、祖父、父、母が祈りと涙で建築したこの礼拝堂をよく維持することです。1978年7月に起工礼拝をささげてから始まった教会建築は、一年後の1979年6月に完工し、愛信保育園と入堂礼拝をささげました。今から42年前のことです。土地の購入代金と建築費を合わせると5億円に達する巨大な工事が終わり、主に感謝礼拝をささげ、今日まで使われてきました。

日本国内でもまれな大規模な礼拝堂が建てられたのです。その年の10月に、在日大韓基督教会は、第35回定期総会をこの礼拝堂で開催しました。全信徒たちと総会に属している教会と海外からの祝福を受けながら、感謝と喜びを分かち合いました。今まで礼拝堂は、27年前の1995年1月17日に起きた阪神大地震と6.9東日本大震災など、大きな地震にも耐え抜いたのです。しかし、年々建物は修繕するところが生じ始めました。水が漏れ、補修工事が必要な部分がどんどんできました。

 

建物全体と施設が、時と共に劣化し交換しなければならない部分がありました。毎日、私たちが使うエレベーターも30年が過ぎ、交換が必要となりました。礼拝ごとに美しい音色を響かせたオルガンも30年が過ぎ、保守作業をしなければならなかったです。5年前である2016年、1000万円以上の予算を入れ、エレベーターとパイプオルガンの補修工事をしました。私にとって特に感謝することがあります。信徒の皆さんが祈りと共にささげた貴重な献金で、この二つの大きな工事と作業を無事に終えたことです。

 

今、100周年の喜びと共に我らに与えられた課題は、教会の建物を再び修理しなければならない時点なのです。耐震工事と建物自体に対する大規模の修繕が必要です。2年前の台風で被害を受けた十字架も、今回修理しなければいけません。このことは、礼拝堂を建築する時、私たちの先輩方が苦労しながら全信徒が協力し成し遂げたように、私たちもこのことを成し遂げなければなりません。私たちが住んでいる家も40年が過ぎると、修理が必要な所がたくさん出てくると思います。同様に、この美しい礼拝堂も、歳月を経て劣化した部分を直し、次世代に残してあげるべきです。

イスラエル民族が捕虜生活の中でも、彼らは先祖の信仰の話と神のみことばを教えることを怠りませんでした。戦争に負け、捕虜としてバビロンに連れて来られて奴隷生活をしながらも、神への信仰と祖国、エルサレム城と神殿を慕いながら祈っていました。その時、聞こえてきた神のみことばは、自由な身になってエルサレムに戻れ、そして城を新しく立て直せとのことでした。

愛する大阪教会の信徒の皆様、私と皆様に与えて下さる主のみことばをしっかりと覚え、今年、私たちは

ヨベルの年の喜びと共に与えられた課題をよく担いましょう。今年、2021年はこの美しい礼拝堂を皆さんと私が再び立て直す年になりますよう、祈願いたします。

コロナ禍で、色々と困難な中です。恐らく大変なことも次々と生じるでしょう。しかし、主が共におられると信じます!この仕事が回復の第一歩になると思います。皆様の祈りとご協力によって、この仕事が必ず実現できると信じながら、今日のみことばをおつたえします。

<祈祷>

今日、私たちを通して成就したいことを知らせた主よ、

そのことのため、主の僕たちが祈るようにさせてください。

そのことを成し遂げるため、一つにならせてください。

主の体である教会を愛する心を与えてください。

そして、共にそのことを担えるよう、導いてください。

私たちが決心し主を喜ばせるよう、助けてください。

私たちの先輩が成し遂げたそのことを続けるよう、させてください。

感謝しながら、主イエス・キリストのみ名によってお祈りいたします。アーメン