2022.9.4総会人権主日祈祷文

人権主日礼拝 祈祷文

 

世界の歴史を導かれる創造主なる神さま。

この日本社会には、さまざまな民族や国内外の人々が、互いに支えあいながら生活しています。それぞれの歴史や文化、生活習慣や言葉を尊重し合いながら、多文化共生社会を実現しようと努力しています。しかし、一方で自分の利益だけを追い求める勢力も存在しています。このような状況の狭間で、神の国を作り出す働き人として私たちを用いてくださることに感謝いたします。私たちは、時に隣人を偏見の目で見たり、心を傷つけてしまうことがあります。主よ、どうかお赦しください。誰ひとり残されず、すべての人が人間として、日々この社会に生きる住民として、その尊厳が守られますように。

そのために、人々の異文化間の交わりがいっそう深められ広められ、法制度を含む社会の仕組みが整えられるようにしてください。

 

また、日本に住む外国人住民の基本的人権が守られるために祈ります。

今、日本に住んでいる多くの外国人住民が様々な差別に苦しめられています。不当な就職差別、入居拒否、ヘイトクライム、ヘイトスピーチなどをゆるさず、外国人住民一人一人の人間としての尊厳が守られますようにしてください。

日本政府の入管収容施設に入れられている多くの外国人住民が非人道的に扱われ、今も苦しみながら助けを求めています。このような事実に向き合い、差別的な扱いをしない、外国の人々の人権が守られる社会を作ることができますように。

また、社会には、学校に通えない外国人住民の子どもたちが多くいます。その子どもたちが教育を十分

に受けられる機会が与えられますように。

この社会において、外国の子どもたちも、日本でともに教育を受け、また何よりも母語の学習機会が与えられ、自国の文化をよりよく理解することができますように。その学び場を、主が整えて祝福してください。

 

日本の法律においても、外国人住民や社会的弱者の人々の人権が守られるために、新しくされますように導いてください。日本に住んでいる外国人住民はただ日本国籍がないという理由だけで、不当な扱いをたくさん受けています。この現実を少しでも改善するために一日も早く「外国人住民基本法」が制定され、世界のすべての人々に開かれた日本の社会が実現しますように。

そして、日本に住む、在日外国人同胞たちの生活が、主の平安の内に守られますように。街頭での演説のみならず、いまだに選挙運動やインターネット上で憎しみをあおる、言葉の暴力が繰り返されています。「言論の自由」という言葉を、隠れみのにした、これらのヘイトスピーチの犯罪が根絶され、そして、すべての人の尊厳と名誉が守られますようにしてください。

 

特に今日、新型コロナのパンデミックにより、世界中が未曽(みぞ)有(う)の困難な状況に直面しています。困難な状況にあっても、互いの信頼感がますます豊かに育まれますように。世界では、コロナ感染症のパンデミック規模の感染拡大により、自国に帰りたくても帰れない人や再入国ができない労働者・留学生が多くいます。この人たちの困難と苦しみを顧み、生きていくために必要な助けをお与えください。

すべての人権が守られるよう願いながら、御前で礼拝をお捧げします。三位一体なる主が、お受け下さり、わたしたちの祈りを、どうか聞き入れてください。

 

主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン。