2020年 12月20日 聖誕節主日礼拝<喜びをもって迎える聖誕節> 鄭然元牧師

大阪教会 主日礼拝 <2020年 12月20日> 聖誕節

説教 鄭然元牧師 / 通訳 金光成長老

 

* 제목 : 기쁨으로 맞이하는 성탄절. 喜びをもって迎える聖誕節。

* 성경 : 로마서 15장10절-13절 ローマの信徒への手紙15章10節-13節

 

<日/新共同訳>

10. また、/「異邦人よ、主の民と共に喜べ」と言われ、11. 更に、/「すべての異邦人よ、主をたたえよ。すべての民は主を賛美せよ」と言われています。12.また、イザヤはこう言っています。「エッサイの根から芽が現れ、/異邦人を治めるために立ち上がる。異邦人は彼に望みをかける。」 13.希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。

 

<説教>

信徒の皆さんと聖誕の挨拶を交わします。Merry Christmas!

毎年私たちは、教会学校の子どもたちと全信徒が一緒に集まり、クリスマス礼拝を捧げてきました。しかし、今年は共に捧げられず、むしろ分散して礼拝を捧げています。イエス様がこの世に来られたクリスマスは全世界が喜ぶ日です。今年はコロナ禍によって沈痛で憂鬱な世界の人々にイエス様の聖誕の喜びが回復できる日になりますよう願います。

今日は待降節の第4主日でありながら聖誕主日です。先週の主日の説教でお話したように、聖誕節を前にして、4度の主日を計算して守るからです。第1主日のテーマは「希望」であり、第2主日は「平和」でした。先週、第3主日は「愛」でしたが、今日第4主日は、「喜び」です。皆さんはどのような理由で聖誕節を喜ぶようになりましたか。ほとんどの人はなぜ聖誕節がこんなに嬉しい日になったのかわからないのです。子どもたちには、サンタクロースのプレゼントを待つ楽しみがありますが、大人はそうではないと思います。

コロナウイルスは、私たちの日常生活にも非常に多くの変化をもたらしました。つまり、変えなければ、生活できない状況になってしまいました。普段マスクというのは風邪をひき、気管支や空気が悪くなると、それを遮断するために使っていました。しかし、今回のコロナ禍の中で、最初に起きた問題はマスクを買いたくても買えないことでした。マスクをもらったと、人々がどれほど感謝し喜んだのかわかりません。私たちの生活でも同じではないでしょうか。日常生活の中で今まで疎かにしてきたものが、場合によっては非常に貴重なものになるのです。

冬のインフルエンザが流行る前に、予防接種の際、感涙を流しながら注射してもらう人がいますか。子どもたちは、病院に入った途端、泣き始めます。ところが今回、米国の国民健康と医療体制を担当している大臣がコロナワクチン注射を開始できるようになったとTVニュースに出て、涙を流しながら報告する姿を見ました。英国では、年老いた老人が注射を受け感激して涙を流すシーンが報道されました。痛くて泣くのではありません。先に、年老いていつ死ぬかわからない人に、ワクチンを接種をしてくれたことに感謝する感動的なシーンでした。

国々はコロナワクチンを確保するため、お金を積んで来て製薬会社と契約をします。一日も早く受けたいのに、遅いとまた国々が大騒ぎします。前もお話ししましたが、金のある国の国民はワクチン接種が受けられるのですが、金がない貧しい国はどうすればよいでしょうか。英国の製薬会社「アストラゼネカ」がコロナウイルスのワクチン1億7000万回投与分(約8500万人分)をコバックスファシリティに無償提供すると発表しました。コバックスはワクチンの公平な分配のための国際的なプロジェクトであり、世界保健機関(WHO)、伝染病蔓延対策の革新のための連合(CEPI)、世界ワクチン免疫連合(GAVI)が、今年の4月に共同設立しました。 「パスカル・ソリオ」、アストラゼネカのCEOは、「自分の会社が開発中のワクチンをコバックスに利益を残さず提供する。」と言いました。コロナ危機に直面している人類のため、製薬会社としての義務と奉仕だと思います。貧しい国と国民のための配慮です。世界中の人々に希望を与え、同時に大きな喜びを与える暖かいニュースでした。イエス様の誕生が全世界の人々に喜びになる理由もここにあります。

コロナウイルスによって死んでいく人のためのワクチンが、死を止まらせ、不安と恐怖感から解放させることと同じです。人は神の前で罪を犯しました。人類は、自分が犯した罪のせいで、死と不安と恐怖を持って生きています。罪を犯したので、受ける審判とその結果としてもたらさせる苦痛は想像を超えるものです。罪を犯し受けるべき代価から解放される自由を与えるため、イエス様が来られたので、世界の人々は喜ぶのです。罪の許しは、人間の根本的な罪の問題を担い、十字架の死によって成し遂げられることを私たちは信じているので、感謝し喜んでいます。イエス様がこの地に来られたことに対して、喜ぶべき理由を、今日のみことばではこのように話しています。10. 「異邦人、主われ

イスラエル人が見る視点では、私たちは周辺国であり、異邦人です。そして、神の救いを受けられない人だと思われていました。イエス様が来てなされたことは「異邦人も救いに導いて下さったこと」です。

それで、11. 「すべての異邦人よ、主をたたえよ。すべての民は主を賛美せよ」と話しています。

聖誕の季節になると、全世界に鳴り響く「クリスマスキャロル(Christmas carol)」は、「クリスマスを祝うために歌われる讃美歌」を意味します。このように全世界がイエス様の降臨を喜んで讃美をささげ、演奏をする理由は、罪のために死ぬしかない私たちの救い主であるからです。みことばは、希望に満ち、このように続いています。12.「エッサイの根から芽が現れ、/異邦人を治めるために立ち上がる。異邦人は彼に望みをかける。」

この地で生きる人に希望、望みがなければ、どうやって生きていけるでしょうか。このコロナ禍の中でも、私たちが気をつけながら生活を送れるのは、その都度主が与える希望のメッセージがあるからです。希望を持っているので、あきらめず立ち上がれるのです。イスラエル民族だけでなく、異邦人、世界中の人々がイエス様と共に、希望を持って生きるようになると話されます。そして最後にくださったみことばは、13節です。

13.希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように」。

愛する信徒の皆さんと映像で礼拝に参加されている皆様!この困難の中でも、希望を与えてくださる神がおられるので喜びなさい!と言っています。私たちは、試練と苦難に覆われると感謝と喜びをいつの間にか無くしてしまいます。そして頭の中で、口から不満と不平だけがあふれ出るのが、私たちの姿ではないでしょうか。信徒朴美淑執事の父朴ジンヨル牧師が79歳で、過ぎた16日に天に召されました。朴ジンヨル牧師はよく知っていても、その娘さんが大阪敎会に以前から出席しておられるのは、あまり知らなかったと思います。静かに礼拝に参加し、このごろは多くの人が集まった所は避けろとの外務省の指示に従い、礼拝にも出られないのです。しかし、土曜日になると一人で静かに来られ、祈り後献金をささげてから週報を持って家に帰ります。

朴ジンヨル牧師は1984年メソジスト教から派遣されて宣教師として来日し、奈良敎会を開拓し、設立されました。後に平野敎会で仕えてから8年前に引退されました。引退後は血液癌の宣告を受け、長い間抗がん治療を受け、回復したものの長い病院生活を送られました。臨終の前、子息と子孫に直筆の遺言を残しました。一昨日、18日の告別式でご長男が見せて読んで下さいました。デサロニケの信徒への手紙一5章16節-18節のみことばでした。

いつも 喜んでいなさい.絶えず 祈りなさい.どんなことにも感謝しなさい。

これこそ、キリストイエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです

朴牧師は、闘病生活のなかでも喜んでいなさい!すべてを諦めたいほどの痛みの中でも、主に祈る神の僕、試練の中でも、感謝しなさい!というみことばを遺言に残し、愛する家族と信徒と別れ、天の国に召されました。数人の後輩牧師たちも朴ジンヨル牧師を天国に見送る時間を共にしました。キリストの中で生きる私たちが歩むべき正しい信仰の道が、どのようなことなのかを切実に感じた貴重な時間でした。

愛する信徒の皆さん!

神が造られた人間の姿、美しかった本来の姿に戻すため、独り子であるイエス様をこの地に送ってくださいました。人間の本来の姿に回復させてくださったので、私たちは喜んでいるのです。今、私たちを新しい希望に進ませて下さるので、どれほど感謝すべきことなのでしょう。感謝し喜んで聖誕節を迎えましょう!そして、私たちは、この喜ばしいニュースを全世界に伝えましょう!

信徒の皆さんに、聖誕の大きな喜びが満ちあふれますよう祈願いたします。

<祈祷>

人類を愛する主よ、私たちを愛するが故に独り子イエス様をこの地に送って下さり、十字架の死を通して

我々を救って下さり、感謝します。

2020年、コロナ禍によって不安や恐怖が満ちた日々の中、みことばを通して喜びと希望と信仰を与えて下さり、感謝をささげます。この福音を私たち隣人と分かち合えるようにさせ、感謝します。主よ、この地から

あらゆる争いや戦争を無くしてください。主によってもたらせる真なる平和と自由がわかり、身分の差別をなくし、男女の葛藤がなくなり、平等と正義が実現する世界にならせてください。

私たちの力では不可能なことであるのも良く知っております。今日のみことば通りに、主の霊、聖霊様が共にして下さり、希望が成し遂げられる世界にならせて下さい。

我々の喜びである主イエス・キリストのみ名によって、お祈りいたします。アーメン