2020/10/18主日<寄留者と共に生きる社会>鄭然元牧師

大阪教会 主日礼拝 <2020年 10月18日> 五旬節後第20主日 

說敎 鄭然元牧師 / 通訳 金光成長老

 

* 題目 : 거류민과 함께 사는 사회 寄留者きる社会

* 聖経 : 레위기 1933-34 レビ1933-34  

 

<日/新共同>

33. 寄留者があなたの土地に共に住んでいるなら、彼を虐げてはならない。34. あなたたちのもとに寄留する者をあなたたちのうちの土地に生まれた者同に扱い、自分自身のように愛しなさい。なぜなら、あなたたちもエジプトのにおいては寄留者であったからである。わたしはあなたたちの神、主である。

 

<説教>

愛する信徒の皆さん、過ぎた一週間もお元気でいらっしゃいましたか。

先週の主日から礼拝堂で信徒の皆さんと共に主に礼拝を捧げることができ、とても嬉しいです。しかし、まだ健康が優れない方々と教会の出席が難しい方は映像礼拝を捧げておられます。主の恵みが共にありますよう祈願いたします。

現在、日本には1億2千600万人が住んでいます。その中で外国人の数はどのくらいになると思いますか。2019年の統計によると、283万人です。日本に住んでいる人々の中の2%が外国籍を持つ人です。国別に見ると、中国が最も多い76万人、2番目が韓国で45万人です。10年前の統計と比べてみると、外国人の数が60万人増加しました。大阪市の人口が264万人ですが、外国人は約14万5千人です。概5%になるという統計です。このような統計情報を先に申し上げるのは、実際に私たちが住んでいる所の状況を分析してみたいと思ったからです。(大阪府外国人24万)

韓国の場合、2018年末の統計を見ると、国民5000万人の外国人居住者は237万人です。

4%が外国人居住者です。日本と韓国の外国人居住者数がなぜこのように増えているのでしょうか。日本の場合、特別永住者、一般永住者を合わせると40%程度です。留学と仕事のために来日した方もいますが、技術、機能訓練などの理由で18%の外国人が共に暮らしています。

数週間前のニュースでした。韓国に入国した外国人がコロナウイルスの感染を防ぐために、14日間の隔離生活をすべきなのに外国人が集団で消えてしまいました。後で追跡をしてみると、地方のある中小企業が、外国人の入国を待っていました。理由は、安価な労働力として外国人を雇用するため、入国をさせたが、一日も待たてない状況だったようです。資本主義社会の中で、企業は利益を上げるために経営者は努力します。どのような形であろうが、お金を稼ぐという一念で、労働力の搾取と人権を踏みにじることを容易く行っています。これは、どの社会でも似通ったことが起きています。他人もしているので、私もやって良いし、問題にならない。このような生き方ではいけません。これは経済活動に限った問題ではありません。

私たちが住んでいる地域社会でも同様の問題がたくさんあります。在日同胞は、1920年代から朝鮮半島から日本に移住をして来たお爺さん、お婆さんが私たちのルーツとも言えます。その頃は、国も奪われ、土地も事業権も奪われていました。生きるために船に乗って、日本の地に渡って来たことは、誰も否定できない歴史的事実です。その当時、日本は、産業近代化の時期に突入し、労働力が必要でした。当然、朝鮮半島から仕事をさせる人を呼んだのです。1945年、終戦の頃、在日同胞の数は230万人でした。太平洋戦争が終わってから75年になる今、日本はいかがですか。日本に住んでいる外国人のための政策を樹立する過程で、共に暮らす人として我々を考えているのかと聞きたいです。

イスラエル民族の歴史はアブラハムから始まります。それで、アブラハムを信仰と民族の先祖と呼びます。家族が氏族を成し、部族を作り、エジプトに移住をし、民族を成していきます。しかし、彼らは奴隷生活をしていました。奴隷生活の苦しみが激しくなり、神はアブラハム、イサク、ヤコブと誓われたことを覚え、民族で国を作って生きるようにさせました。モーセを指導者として立て、エジプトを脱出させました。聖書を見ると、主は不思議なことを起こしました。イスラエル民族を選び、出エジプトをさせ、新しい国を作ろうとされました。ところが、この一行の中には血統的に、イスラエル人ではない人達も一緒でした。出エジプト記12章38節には、「そのほか、種々雑多な人々もこれに加わった。羊、牛など、家畜もおびただしい数であった。」と記されています。種々雑多な人々(All the foreign people )という言葉が出ます。

「種々雑多な人々」はイスラエル民と一緒に暮らしていた異邦人たちを指す言葉です。 彼らは主がイスラエル民族のために施した多くの奇跡や事を見て、出エジプトに加担した人達でした。神は異邦民族を差別せず、イスラエル共同体に受け入れられたと(申29:10-13)話しています。

<参考>(日/9-12 : 今日、あなたたちは、全員あなたたちの神、主の御前に立っている。部族の長、長老、役人、イスラエルのすべての男子、10. その妻子、宿営内の寄留者、薪を集める者から水をくむ者に至るまでいる。11. それは、あなたがあなたの神、主の契約に入り、あなたの神、主が今日あなたと結ばれる呪いの誓いを交わすためであり、12. 今日、主があなたを立てて御自分の民とし、自らあなたの神となられるためである。主がかつてあなたに告げ、先祖アブラハム、イサク、ヤコブに誓われたとおりである。

 

主は、イスラエル民族の回復だけでなく、世界秩序の中で多様な民族が共に暮らす世界を新たに作る計画を立てておられたのです。イスラエルの男性と女性と子どもたちと一緒に荒野で宿営している他の民族(寄留者)である異邦人までも、主の契約に入れることを認めました。さらにこの寄留者達も自分の民とし、彼らの神になられるためだと告げました。

そして、出エジプトの過程でもそうだったし、その後も他の民族を「寄留者」と言いました。あなたの宿営内の客と一緒に住むすべての人々を特に保護し、共に暮らさないといけないと言われました。出23章9節

「あなたは寄留者を虐げてはならない。あなたたちは寄留者の気持を知っている。あなたたちは、エジプトの国で寄留者であったからである」。ここにも「寄留者」という言葉を使っておられます。

<ユージン・ピーターソン/メッセージ>の翻訳では、「旅人を搾取してはいけない。あなたは旅人の立場をよく知っているのではないか。あなたもかつてエジプトでは旅人であった。」としました。 「旅人」とは、自分の故郷を離れ、他の場所に一時的に滞在したり​​、旅行中の人を指します。天の国(天国)を故郷だと信じ生きている私たち誰もが、この地では旅人です。この地に住むすべての人々は旅人(寄留者)です。そして、この旅人を虐げてはならないと命じておられます。さらにあなたがエジプトの国で旅人として生きたから、この旅人の気持ちを知っていると話しておられます。しかし、人間は妙なところがあります。自分が苦労したことを覚えていながら、自分のように苦労している人を見ると助けようとしません。むしろもっと虐げ、差別する人がいます。

愛する信徒の皆さん、今日のみことばを胸にしっかりと刻んでおきましょう。<ユージン・ピーターソン/メッセージ>は、外国人があなたの土地で生活する際に、彼らを搾取してはならない。外国人を本国人と同様に扱いなさい。彼を家族のように愛しなさい。在日同胞は日本の地に住む外国人です。日本人は、韓国人はもちろん、283万人の外国国籍を持つ人々を搾取したり、人権を無視してはいけません。日本は本国民とまったく同じ税金を納め、日本社会へ貢献するために努力していることを感謝する必要があります。

国家経営と事業において厄介な存在と考えてはならないのです。また、単に労働力として考え、機械のように使い、古くなり故障したら捨てるような態度を持ってはいけないとのことです。本国人と同様に扱いなさい。このみことばの深い意味を悟らなければならないです。主は続けて言われます。外国人が一緒に住むなら、彼を家族のように愛しなさいと。この命令に耳を傾けるべきでしょう。在日同胞社会の中でも、私たちは、血統的に他の民族ですが、私が住んでいる日本を愛し、市民社会への貢献を誓わないといけません。

韓国からのニュースの中に、胸が痛くなるものがあります。韓国に住んでいる287万人の外国人の中で、特に「技術研修」という名目で入国し、労働現場で激しい差別を受け、苦しんでいる労働者に関するニュースです。人間以下の待遇を受けて精神的に、時には肉体的に重傷を負う場合もあります。障害が残るほど苦しまれても、治療と補償さえ受けられない人々に関するニュースを接するたびに心が痛みます。私たち韓民族700万人が祖国を離れ、異国の地に暮らしながら大変な思いをしています。その海外の同胞を考えるならば、来韓し苦労をしながらも、自分と家族の幸福のために耐えている外国人を私の同胞のように考えなければならないのです。

私は牧会者として、信徒達と私の子孫のために祈るたびに、私たちの子孫が日本の地に住みながら、自身の生活の場で日本社会に貢献できる人になれることを常に祈っております。これが実現できるとき、

地域社会をもっと明るくし、美しく作り上げていくだろうと信じているからです。寄留者たちを虐げず、互いに

愛し合う社会を作って行かないといけません。主を「アバ、父よ」と告白する私たちはもっと真に愛し合いながら生きるべきです。そして、日本人と外国人が共存し、愛し合い、人間らしく生きて行く社会を期待しながら、今日のみことばに感謝を捧げましょう。

<祈祷>

「あなたたちもエジプトの国においては寄留者であったことを覚えなさい。わたしはあなたたちの神、主である」。このみことばの意味を再度わからせて下さり、感謝します。

私たちの人生は天の国へ向かっていく旅路であり、私たちが旅人であるのをわからせてくださり感謝します。

この世ですべての人達と共に愛し合いながら生きることを実現する私たちにならせて下さい。

主イエス・キリストのみ名によってお祈りいたします。アーメン